おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
ニキビじゃない!
ニキビと診断を受けて治療しているけどなかなか顔の、特に鼻、小鼻、頬っぺたのブツブツが改善されない・・・といったことはありませんか?
実はソレ、ニキビじゃないかもしれません。
顔に生じる顔の赤いブツブツにはニキビ以外に「酒さ」という病気と「好酸球性膿疱性毛包炎(EPF)」という病気が考えられます。
酒さ
酒さとはその名のようにお酒を飲んだ後のような顔の赤みだけでなく、ニキビのようなブツブツができたり進行すると皮膚が分厚くボコボコに変形したようになる症状を呈します(特に飲酒との関係はありません)。
軽度であれば毛細血管の拡張を生じているため、いわゆる「赤ら顔」の状態で見られます。特に寒いところから暖かいところに移動した際に頬っぺたが真っ赤になって、九州地方で言うところの「おてもやん」のような状態になって困る!ということで受診されることが多いですね。
よく「酒さの原因はニキビダニ!」と言われますが、酒さの原因はニキビダニだけでなく多岐にわたります。単に血管が拡張している赤ら顔の状態においては体質・肌質によるところがまずは大きいです。膿疱(ニキビのようなブツブツ)を伴っている場合は皮膚に常在菌として存在するニキビダニが過剰に増殖していることが考えられます。
またステロイド外用剤やタクロリムス軟膏の長期使用に伴って生じるステロイド酒さ(酒さ様皮膚炎)という状態もみられるため、長期間ステロイド外用剤を塗っているけどなかなか治らない!という場合にはこちらも考える必要があります。
酒さの治療法としては、ニキビダニが原因と考えられる場合な抗生剤(ミノサイクリン系)を3カ月程度内服することに合わせてメトロニダゾール含有ゲル(ロゼックスゲル®)を併用することで徐々に改善することが期待できます。
また赤みが気になる・・・という場合においては血管を薄くする治療、当院ではNordlys(ノーリス:IPL)を使用した治療によって顔の赤みをなるべく早く改善する方法も行っています。
【Nordlysによる赤ら顔治療についてはこちらをクリック!】
その他にも辛いものなどの刺激物を避けたり、サウナなど高温環境で血管を刺激しないようにするということも大切です。
好酸球性膿疱性毛包炎(EPF)
こちらも単なるニキビにみえて全く違うのですが、その大きな特徴は
「メチャクチャ痒い!」
ということです。
実はEPFはいきなりすぐ診断できるというのは難しく、一般的なニキビや酒さの治療をしても治らないな?とか
ニキビにしてはえらい痒がってらっしゃるな?という場合において、最終的には皮膚生検(皮膚の一部を取って病理診断にかける事)ではっきりとした診断が可能です。
こちらは細菌が原因によるものではなく、免疫担当細胞が毛穴周囲で炎症を起こしているためいわゆる湿疹に用いられるお薬(タクロリムス軟膏やコレクチム軟膏®など)が効果を発揮することが知られています。
また昔からインドメタシンの内服が効果があることが知られています。
「『インドメタシン』ってあのシップなんかに使われる薬?」と思われたそこのアナタ!まさにそれです(笑)
最近ではなぜインドメタシンが効くのかが科学的に解明されており、詳細は省きますがCOX経路とよばれる炎症系回路を抑制することで症状の改善が見られます。
現実として当院でも
「かぶれ、アトピー性皮膚炎と言われてステロイド外用剤を塗ってるけどよくなるどころか悪くなっていて・・・」とか
「ニキビと診断を受けて治療しているけど膿を伴ったブツブツが良くならなくて・・・」
という訴えで受診される患者さんが実は酒さやステロイド酒さだった、ということをしばしば経験します。
もし「あ、私も同じような状態かも・・・?」と思ったらまずはお気軽に受診してくださいね!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!