現在当院にあるナローバンドUVB照射装置は主に広範囲に照射するタイプであり
全身の尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎に対して短時間で広範囲に照射するための装置です。
しかし紫外線治療を行ってもなかなか治りにくい小さな病変や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、白斑、円形脱毛症に対してはより局所に照射できるタイプの紫外線照射装置が有効となります。
そこで今回導入したのはターゲット型のナローバンドUVB照射装置、308エキシマーシステムです。
ターゲット型エキシマ紫外線治療器の特徴は・・・
1:患部以外にほとんど光が当たらない
2:従来の紫外線治療と比べ治療時間が短くて済む
3:効果が表れるのが比較的早く、治療回数が少なく済むことが多い
つまりこれまでのナローバンドUVB照射装置と違い、治療に必要な光線量を短時間で限られた範囲に照射することが可能ということです。
1箇所の照射時間に関して、例えば100の強さを病変部に照射しようとすると通常のナローバンドUVB装置では30秒かかりますが
エキシマ紫外線治療器ですとわずか2秒で照射完了します。
ですので広範囲の病変に対しては全身照射型のナローバンドUVB装置を用いて、治りにくい病変や小さな病変に対してはターゲット型のエキシマランプを用いて治療することにより、より効果的な治療効果が得られます。
以下の疾患に関して保険適応が認められています。
1.アトピー性皮膚炎
2.乾癬、類乾癬
3.掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう;手のひら、足の裏に膿などの水疱ができる病気)
4.尋常性白斑(しろなまず)
5.菌状息肉症(皮膚のリンパ腫・白血病)
6.慢性苔癬状粃糠疹(からだ、うで、足に数ミリ程度の赤み・ポツポツができ白いカサカサした皮膚が剥がれ落ちる)
(*円形脱毛症に関しては現在のところ保険適応はありませんがエキシマ紫外線治療器が非常に有効であることが知られています)
処置料は3割負担の場合で1回約1000円程度です
紫外線の照射頻度・回数は患者さんの症状や通院可能な日にちに応じて変わりますが、まずは週に1~2回の頻度で照射し、病変部に改善がみられて来たら徐々に照射間隔をあけていくのが一般的です。
上記疾患でお悩みの患者さんがいらっしゃいましたら是非一度ご相談ください。