おはようございます!よしき皮膚科・形成外科院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
先日ある研究チームが高野豆腐(凍り豆腐)に含まれるタンパク質が腸から分泌される「痩せホルモン」ことGLP-1の分泌をうながす、というマウスでの実験結果を発表したそうです。
そこで高野豆腐が「食べるマンジャロ」になるのか?という件についてお話します。
マンジャロというお薬、少し耳にしたことがある方も多いかもしれませんがね。
もともとは糖尿病のお薬として開発されたのですが、その機序からいわゆる「やせ薬」として使用されるようになり、一時期いろんな意味で世間を騒がせたお薬です。
ここで先にお伝えしたいのですが「マンジャロ」というお薬は、GLP-1だけでなくGIPという別のホルモンにも同時に働きかける、いわば大谷翔平選手のような「二刀流」のお薬です。
皮下注射という形で体に直接届けるからこそ、しっかりとした効果が期待できます。
高野豆腐を食べてGLP-1がほんの少し増えるという話と、注射薬として強力に体重や血糖に作用する仕組みとでは、正直なところ土俵がだいぶ違います。
そして今回報告された研究結果のポイントをまとめると・・・
- あくまでマウスでの実験結果であり、ヒトでも同じことが起きるかはまだ分かっていない
- GLP-1の分泌がわずかに増えたというレベルで、お薬のような強い作用が確認されたわけではない
- 腸内細菌の働きが関係していそうだ、というところまでしか分かっていない
という内容でして
「高野豆腐マジスゲェ!食べたら医学的にもメッチャ痩せるらしいぜ!」というものではありません。
「じゃあ高野豆腐は食べても意味がないの?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうわけでもありません。
いずれにしても「豆腐」は高蛋白、低脂肪といった健康食品の代表と言っても良いものです。
それに日々の食事の積み重ねが肌や体の調子に関わってくることは、皮膚科の診察をしていても実感するところです。
ということで私個人としても「高野豆腐を食べれば痩せる」と考えるのではなく、揚げ物やこってりした食事の一品を、低脂質・高タンパクな高野豆腐に置き換えてみる、くらいの気持ちで日々の食卓に取り入れると考えるのがいいのではないかとおもいます。
明日の献立に、まずは一品加えてみてもいいかもしれませんね~。
それでは本日も健やかな肌で素敵な一日を過ごしていきましょう!