おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
現代免疫学における偉大な発見
先日偉大なる科学者、利根川進博士がご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
利根川進博士の名前を初めて耳にしたのは私がまだ小学5年生くらいの頃。
なんかスゴイ偉大な発見をしてノーベル賞を受賞されたというニュースでした。
その頃はまったくなんのこっちゃ?ということでなんか日本人がスゲェことしたんだな~、くらいにしか思っておりませんでした。
そして医学部に進学し、免疫学の授業で利根川博士がいかに偉大な発見をしたかということを知りました。
皮膚を含め人体は外部から細菌、ウイルス、カビ、花粉などなど様々な異物からの攻撃を受けています。
そして人体は免疫を通してこれら無数の微細な敵からの攻撃に対応しているのですが、いったいどのようにして数限りない敵の種類を見分け対応しているのか?という長年の謎に対して結論を出すという偉大な業績を残されました。
その機序はシンプルにして非常に理にかなったものでした。
免疫を担う物質のひとつに「抗体」と言われるものがあります。
抗体を産生するための設計図の格納庫が複数あり、それぞれに抗体をつくるためのパーツが何百個も格納されています。
そしてその格納庫から取り出す設計図の順番を変えたり、使用するパーツを変えたりすることでなんと100億個以上もの抗体を産生することができるというものです。
凄くシンプルな構造だと思いませんか?
免疫学に限らず、科学の領域では突き詰めるとその心理は非常にシンプルなものであることが多くあります。
かのアインシュタイン博士が発見したE=mc^2という超有名な公式があります。
これはエネルギーと質量が本質的に同じものであるということを示す公式ですが、非常にシンプルでありおそらくこれまでに発見された公式の中では世界で最も美しい公式なのではないでしょうか?
科学における不変の真理はシンプルにできているというのがアインシュタイン博士の根底にもあったようです。
彼は「体を洗う石鹸と髭を剃るための石鹸が違うという事すら私にとっては複雑すぎる」という言葉を残しています。
我々の身の回りにおいてもこの「シンプルなものは強い」ということを実感することがあります。
例えば私なんか30年前に購入した電気スタンドを未だに使っていますし、40年前の扇風機がいまでも使えるなんてご家庭もあるのではないでしょうか?
私も日々の診療の上では「シンプルかつクリティカルな治療」を提供できるよう心がけています。
なんかよくわからんから適当になんじゃかんじゃ処方するなんてことは絶対にあってはならないという考えがあるし、もしなにか不具合が起きた場合、複雑な処方・処置をした場合結局どこに不具合があったかわかるまでに多大な時間を要することが多いからです。
そしてその治療・処方・処置の内容からどのように反応するかを見て、必要であれば内容を調整、場合によっては変更していくという考えのもと診療を行っています。
一発でサクッと治ることもあれば、こちらの見立てが間違ってて逆の結果が出てくるということもあります。
あらゆる皮膚の病気に精通し、1回の処置でなんでも治ってしまうといったマンガのような診療ができる日を目指しまだまだ精進の日々を続けてい参ります。
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!