おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
臨床だけじゃなくて病理知識も必要
粉瘤、ホクロ、イボなどなど、皮膚には様々なデキモノができます。
皮膚科の診断は視診が9割以上を占めるため必ずしっかりと見ます。時にはダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使用して皮疹の状態をしっかりと観察することを我々皮膚科医は行います。
そうして臨床診断が頭の中に浮かんだら、その次に我々皮膚科医の頭の中には皮疹の病理構造が頭の中に浮かんできます。
そのデキモノは皮膚からできているのか?皮膚以外の脂肪組織や筋肉のレベルにあるのか?
皮膚に単に引っ付いているようなものなのか?表皮を超えて真皮と呼ばれるさらに深いところまでそのデキモノは達しているのか?
このように視診というマクロの形態診断から病理組織というミクロレベルまで様々な情報が頭の中で構築されるよう我々皮膚科専門医は訓練されています。
もしホクロなどの良性のデキモノを手術する場合においてもその病理組織像が頭の中でしっかり構築されていないと、いわゆる取り残しからの再発ということになりかねません。
ホクロひとつ取ってみても皮膚の浅いところにあるのか?もっと深いところにあるのか?本当にそれはホクロで良いのか?というところまで検討に検討を重ねて最善の治療法を患者さんに提案しています。
最近何かと話題になる直美問題にもつながりますが、私はやはり皮膚病理組織像も評価できない医師が安易に美容皮膚科の道に進むべきではないという考えです。
ひとえにシミといっても大きく5種類に分けられるだけでなく、シミに見える皮疹が実は初期の皮膚癌だったということも往々にしてあります。お肌をきれいにしたいという美容目的で受診された患者さんに皮膚癌の兆候が見られたら速やかにそれなりの機関に紹介したり、美容皮膚科の治療中でも何かアヤシイ所見を認めたら速やかに皮膚生検による病理診断を行えるような体制を整えておくべきだと考えます。
当院でもホクロや粉瘤の手術を行っていますが、開院以来私もずーっとその患者さんの病理組織標本には必ず目を通すようにして、臨床診断は合っていたか?ホクロもちゃんと取り切れているか?とということを確認するようにしています。
と、エラそうなことを語ってはいますが実は皮膚科医になりたての頃は病理組織診断には全く興味を持てなかった、というかメンドクサくて嫌いでした(笑)
そんな私がある日皮膚病理に興味を持ち、ゆくゆくは医局の後輩を対象に皮膚病理検討会を行うようになっていくまで皮膚病理にハマってしまうことになったのですがそちらはまたいつの日かここでお話しできればと思います!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!