おはようございます!よしき皮膚科・形成外科院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
しっかりと洗いましょう!
当院ではケガで受診された後のご自宅でのケアとして「今日からシャワーやお風呂も大丈夫です。普通に石鹸で洗ってください。その上で出された塗り薬を塗ってください。良く洗えば消毒薬も必要ありません。」とご説明しています。
濡らしてもいいんです。むしろよく洗ってください。
これは縫合が必要なケガにおいても同じです。
「縫った部位を濡らすと化膿しませんか?」とのご質問も頂きますが、縫合した部位が化膿する原因は縫合のやり方が良くない場合に生じます。縫合された傷については24時間以内に皮膚表面はふさがっているため、外部から細菌などの異物が侵入することはありません。むしろ傷の表面をよく洗うことは浸出液を栄養として増える最近の増殖を抑えることになり二次感染対策にも有効です。
縫った傷が化膿する原因として
- 止血がしっかりされていない
- 縫合時に異物を閉じ込めてしまっている。
- 細い糸で細かく縫いすぎている
の3つが最も多いです。
1:しっかりと止血がされていないと縫合された傷の中に血液の塊ができてしまいます。一度体内から出てしまった血液は単なる異物として認識され、免疫反応を生じる事で膿が溜まってしまいます。
2:また縫合を行う際に泥や木片などの異物を閉じ込めたまま縫ってしまうと、その異物に対する免疫反応が生じる結果として炎症を生じ、膿を生じてしまいます。
3:細かく縫いすぎていることが化膿の原因、と聞くと以外に思われる方も多いと思います。細い糸で細かくミッチリと縫うほうが傷がキレイになると思われるかもしれませんが、実は縫合する(縫う)という操作は皮膚同士を糸で締め付ける事であり、それによって縫合した部位の血流を悪くしてしまう「阻血操作」と表裏一体の操作なんです。阻血状態(組織に血流が届かない状態)では当然傷の治りも遅くなるばかりでなく、阻血状態になった皮膚は壊死してしまいます。当然その壊死組織は生体内にとって異物と認識されるため、それを排除するために免疫反応が生じ膿が溜まる結果となります。ですので最も理想的な縫合とは、適切な糸の太さでなるべく少ない縫合数で傷を寄せ合わせる、ということになります。
市販されている創傷被覆材の罠
そして最近薬局などでよく見かける○○パワー〇ッドのような「浸出液を閉じ込めて湿潤環境を保って傷を治す特殊な絆創膏」ですが、こちらの製品についてはどんな傷においても使った方が良いというものではありません!
むしろ使い方を間違えてかえって傷の治りを悪くしてしまったり、それが原因による他の皮膚トラブルを生じているパターンを非常に多く見かけます。
次回はこの傷〇パワーパッ〇について、その本来の正しい使い方についてお伝えしようと思います!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!