インフルエンザの恐怖体験 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

インフルエンザの恐怖体験

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けします。

 

今年は8月くらいからインフルエンザが流行っていますね。

実は以前私はインフルエンザの予防接種を受けていない時期がありました。理由は・・・

「注射が痛くて怖いから」

皆さんもイヤですよね?なるべくなら痛い注射は避けたいですよね?・・・ね?

インフルエンザ予防接種が定期接種から任意接種に変わった高校生頃くらいから大学4年生くらいまで全然受けた記憶がなかったんですよ。

臨床実習に出る前はB型肝炎ワクチンと一緒に確か打ったような気がするんですが・・・。

もうとにかく痛いのがニガテ、針を見るのもニガテでした。

さすがに研修医になってからは毎年打つようにはしていたのですが、実際にインフルエンザ自体に罹ったことはありませんでした。

それが研修医2年目の事です。

勤務中、なんだか体調がおかしい。

立っているのもキツくなったのでちょっと当直室のベッドを拝借して横になっていたらそれから起き上がろうにも起きれない。

熱は40℃を超え意識は朦朧とし、まさに「あ、自分はこのままあの世に行ってしまうんだ・・・」と覚悟しました。

幸い病院内ということもあり、そのまま高熱と朦朧とした意識の中点滴を受け続け3日目にはようやく自力で歩けるまで回復することができたのでした。

迷惑をかけた友人たちからは「ルートキープ(静脈への輸液)の練習になったわ~♪」と暖かい?言葉をもらったのですが、

当時の教授からは「免疫状態も悪い患者さんがたくさんおる院内で発症してそのまま院内で寝ているとは何事だ!」とこっぴどく叱られ、

3日間も当直室を占有してしまったことで上司の先生方からはしばらく白い目で見られることになったのでした。

以来、必ず毎年インフルエンザワクチンは接種するようにしております。

 

さてさて、なんだか毎年流行の季節が冬から秋、夏へと早くなりもはや1年中インフルエンザに罹る危険があるんじゃないかと思っています。

ところでインフルエンザって何?って思ったことないですか?

いうたら「風邪」なんです。風邪の症状って細菌やらウイルスやらが体内に侵入してきて、それらを排除する体の免疫反応により引き起こされる様々な体の不快な症状です。

ウイルス自体はそのまんまだと特に何の害も無いのですが、こいつらは我々の体の細胞に侵入してきて、勝手に間借りするだけでなく細胞の機能と材料を利用してウイルス自体を増殖するという、言ってみればトンデモナイことをやらかしているんですよ。

そしてウイルスに侵入された細胞は自ら「スンマセン、どうやらウイルスに侵入されたんでちょっと自分の事破壊してもらっていいですか?」というシグナルを免疫細胞に対して発します。

こうしてウイルスに侵入された細胞は、免疫細胞によって攻撃・排除されるというまさに自己犠牲の精神によってその細胞は一生を終えることになるのです。

この時免疫細胞が活発に活動できる必要があるのですが、免疫細胞は普段の体温より高めの体温の方がその能力を100%発揮できるため、自ら「サイトカイン」と呼ばれる物質を放出し脳の体温調節中枢に働き掛けるため体温が上昇し発熱が生じます。

そしてそれだけでなく破壊された細胞を体外に物理的に排出するため、鼻からは鼻水という形で排除し、喉では咳を生じることでという形で破壊された細胞を排出するような機能も備わっています。

これらすべてミクロの単位からマクロのレベルに至るまで完璧かつエレガントな流れで我々の免疫機能が活躍しています。

しかしこうした「不快な症状」も、長く続けば我々の体力を消耗し場合によっては命の危険にもさらされるだけでなく、ウイルスが長期的に排出され続ければ周囲の人間にも感染を生じ、健全な社会機能を送ることもできなくなってしまいます。

そこで、あらかじめウイルスに対する攻撃準備・予行演習ができていれば長期化・重症化せずに済むということで「ワクチン」が開発されていきました。

ジェンナー博士から始まった種痘対策から始まり、生ワクチン、不活化ワクチン、そして最近はmRNAワクチンなど免疫学だけでなく分子生物学的な研究も進んできたことから様々な形で我々は感染症と闘い、かつて人類の死亡原因第1位であった感染症による死亡は劇的に少なくなってきたという歴史的な背景があるのです。

ワクチンについてはいろいろな考え方というか、科学的・医学的な根拠に乏しい情報が氾濫している面もあり接種に戸惑いを感じていらっしゃる方も多いと思います。

所詮風邪なんだから、ほっときゃ治る、自分の治癒能力で治すもの、とお考えの方もいるかと思います。

もちろんそれはそうなのですが医療においては自分個人の事だけでなく、公衆衛生という概念も重要な立ち位置を含んでいます。

いかに早期に各個人ごとの感染症を抑え込み、周囲に感染を広げず、健全な社会生活自体を守るということも非常に重要な我々の使命です。

少なくとも私はいち医療従事者として接種できるものはなるべく接種するように心がけております!

 

それでは本日も健やかな肌で素敵な一日を過ごしてましょう!

 

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