おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
何か刺さってる?
この時期になると増えてくる「手や指、足のの水疱、皮むけ、痒み、チクチクした痛み」の症状の正体は「汗疱(かんぽう)」のことが多いです。
原因は季節とその方の肌質によるところが大きいため、毎年同じ時期になると同じ症状が出るというかたもいらっしゃいます。
これは手や足の汗を出す腺(汗腺)が詰まって炎症が生じることによりその症状が現れるとされています(実際の所は意見が分かれるところでもあります)。
皮膚の表面に近いところで汗が詰まると表面の皮膚の皮がむけるだけで特に症状はありません。
逆に深いところで詰まってしまうと免疫反応が生じ、かゆみやチクチクした痛みを生じることがあります。
足に水疱を生じた場合多くの方は水虫も鑑別疾患に入れる必要がありますが、その場合は水疱の皮膚を採取して顕微鏡で検査することで汗疱か水虫なのかを鑑別することができます。ですが「足の水疱」を主訴に来院される患者さんの多くは水虫よりもこの汗疱のことが多い印象です。
汗疱がなぜ生じるのかについてはまだ決定的な原因はわかっていませんが、原因の一つに「金属アレルギー」が示唆されています。
金属アレルギーは金属成分によるかぶれの反応なのですが、特定の金属に対してかぶれを持っている方がその金属成分を含有している食品を食べることで、その吸収された金属が手や足の汗から出ることで金属アレルギーによるかぶれを生じて発症する可能性が考えられています。
また汗疱と似た症状を呈する皮膚の病気として掌蹠膿疱症という病気があります。
こちらも初期では汗疱と似たような症状を呈するのですが、季節によらず一年中手のひらや足の裏に水疱、膿疱を生じる場合は汗疱よりも掌蹠膿疱症を疑います。
いずれにしても汗疱や掌蹠膿疱症は他人にうつすような病気ではありませんのでご安心ください。
汗疱の治療としては無症状であればそのままないもせず様子をみていただくだけでよいですが、痛み・痒みを生じる場合は炎症を抑えるためステロイド外用剤を塗布することで症状の緩和を目指します。
また手汗が多い方(手掌多汗症)の方にも比較的多くみられるので、最近手のひらについては手の汗を抑えるお薬(アポハイドローション®)を使用して手掌の発刊を抑えることで予防をすることも期待できます。ただし汗疱による炎症が生じている状態でアポハイドローション®を使用するとお薬の吸収が上がったりして副作用を生じることがあるので、あくまで汗疱が生じていない状態で使用することが必要です。
ちなみに私も時々汗疱になります。チクチク痛痒くて嫌なんですよね…。
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!