痒い!どうにかならんと!? | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

痒い!どうにかならんと!?

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

何で痒くなるの!?

結論から言うと掻く行動(掻破行動)は免疫反応のひとつです。

以前お伝えしたように免疫反応とは外部からの異物の攻撃に対する生体の防衛反応のことを言います。

皮膚は壁として外部からの攻撃を防ぎ、異物が侵入してきたら細胞レベルでの精密な免疫応答を行いますが、そもそもその異物が侵入してきた皮膚自体にかゆみ刺激を起こし、掻くという物理的な操作で異物の侵入してきた皮膚を除去してしまおうとする反応が「掻破行動」です。

もしパッと見たとき、皮膚になにかよくわからない黒いゴミのようなものがついていたら皆さんどうするでしょうか?

頭の中で「虫?」と認識した場合、何も考えず手で払ったりするのではないでしょうか。この「手で払う」という行動も掻破行動と同じで体内への異物の侵入を回避するための人間に備わった超原始的な免疫反応のひとつと言えます。

皮膚の免疫担当細胞が異物の侵入してきた皮膚にかゆみを起こさせ「ここを掻いて異物を除去しなさい」という信号を送ります。

しかし掻くという行動は皮膚バリア機能をさらに破壊する行ってみれば自分の体の一部を壊すという行動です。

生物の基本行動である自分の体の状態を維持するという行為からはかけ離れた行動をかゆみ刺激は起こさせるわけですから、掻くことによって何らかの報酬が与えられないことには掻く行動を自ら進んで行うことはありません。

そこで「掻いたところが気持ちよくなる感覚を報酬として与える」ように皮膚は進化していったのでした。

またアトピー性皮膚炎の方や、冬場など空気の乾燥でバリア機能が破壊されている皮膚では痒みを感じる神経が皮膚の外側にまで伸びてしまうことが知られています。

そうなると常に痒み神経が刺激されることになるため、特に見た目の皮膚は何ともないのにひたすら痒い!そして掻くので余計に皮膚バリア機能が破壊されさらに痒くなる、という悪循環を生じてしまいます。

またこういった皮膚バリア機能の低下や湿疹によって生じる痒みに対しては抗ヒスタミン薬などの内服薬はほとんど効果がありません。皮膚の掻痒感を伴う皮膚疾患のなかで抗ヒスタミン薬の効果が期待できるのは「蕁麻疹」です。

(なぜ「湿疹や乾燥肌による痒みに対して抗ヒスタミン薬は効果がほとんどない」という事実が広まらないのか不思議なんですよね。何か触れてはいけない大人の事情でもあるのかな?…おっと誰か来たようだ…。)

湿疹病変を塗り薬でコントロールし、低下した皮膚バリア機能を保湿剤などでしっかりと回復させることが痒みコントロールで重要となります。

しかし一般的な湿疹の治療を行っても痒みのコントロールが難しいアトピー性皮膚炎や、結節性痒疹というひたすら痒いカチカチのデキモノができる病気に対しては近年「ネモリズマブ(商品名:ミチーガ®)」が保険適用で投与することができるようになりました。

患者さんに「湿疹に対するかゆみ止めはありませんか?」と尋ねられることがありますが、私は「抗ヒスタミン薬などの内服薬については100ある痒みのうち10程度下げるくらいです。かゆみ止めと言っていいお薬はミチーガというお薬しかありません」とハッキリお答えしています。

ただしミチーガ®が保険適用で投与できるのは「4週間以上ステロイド外用剤を使用しても、2週間以上抗ヒスタミン薬を使用してもコントロール不良なアトピー性皮膚炎と結節性痒疹」だけとなっています。

痒みについてはここ数年の皮膚免疫学の研究によってかなりその原因が解明され、またそれに伴った画期的な治療法も出てきました。

また常に様々な環境にさらされ様々な外部からの攻撃に対して防衛反応を起こしている皮膚だからこそお薬による治療だけでなく、普段からのお肌のケアも痒みへの対処としてとても重要です!

洗顔や体を洗う際には皮膚を擦らない、熱い温度の湯舟には浸からない、乾燥肌の方は保湿剤を使用するということをまずは意識して普段の週刊にしてくださいね。

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

美容皮膚科はこちら(美容皮膚科)

Cosmetic Dermatology