抗生物質ください | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

抗生物質ください

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

皮膚には様々な「常在菌」がいる

酷く化膿したニキビ、お尻のオデキ。いずれも皮膚の中で細菌が増殖して痛みなどの不快な症状を呈します。

過去人類の死亡原因の圧倒的な一位は「感染症」による死亡でした。

そしてペニシリンをはじめとする抗生物質、いわゆる細菌の活動を抑え、排除するお薬が発明されてから感染症による死亡はどんどん減少し長生きをするようになった結果、現在では人類の死亡原因は悪性腫瘍(癌)や脳出血、心筋梗塞などの血管系の病気になってきました。

しかし抗生剤の使用により新たな問題が出てきました。

そうです、抗生剤の効かない菌「耐性菌」の問題です。

現在様々な細菌において耐性菌が出てきており、新たな抗生剤を作ったらまたその抗生剤に対する耐性菌が出現して…とイタチごっこの様相を呈しています。

我々皮膚科医が扱う疾患ではニキビにおいてもその耐性菌が爆発的に増加してきています。

化膿した赤いニキビが顔にある・・・辛いですよね。

もちろん化膿したニキビが沢山ある場合は適宜抗生剤を使用して化膿した状態を抑える必要がありますが、なるべく抗生剤を使用しない状態を目指すことが最近のニキビ治療の基本となっています。

ニキビの第一の原因は「毛穴のつまり」です。そこで毛穴のつまりを取る様々なお薬を基本として、ニキビ菌が増殖しにくいお肌を目指すということがニキビの標準治療(最善治療)の第一です。

そして何より皮膚にはニキビ菌以外にも様々な細菌が我々と共存しています。

この常在菌は普段なにも悪さすることはありません。むしろ我々の皮膚でその他の有害な細菌の増殖を抑えたりなど、皮膚免疫にとって非常に重要な役割を果たしていることも最近の研究で明らかになってきました。

例えば海外では重症のアトピー性皮膚炎患者さんに対して、正常な方から得られた皮膚の常在菌を培養しその細菌を皮膚に移植するという研究もなされています(まだまだ研究段階で臨床におけるエビデンスは得られていないようですが)。

なので我々皮膚科専門医はその人にとって抗生剤の投与が有益であるかどうかをしっかり見定めてから処方を行います。

なので「抗生剤の飲み薬ください」と言われても必要がないと判断したら処方することはありません。

それに我々の領域以外でも耐性菌は多くの医師の頭を悩ませています。

ニキビの治療で抗生剤をひたすら飲んでいたら、将来他の感染症で悩まされることになったとならないよう自己判断などで安易に抗生剤を内服したり、処方された抗生剤の内服は用法容量通りきちんと内服するようにしてくださいね。

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

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