ぼちぼちと秋の兆しが感じられるようになってきました。
しかしこの1週間を振り返ってもまだ「虫」による被害で受診される患者さんが後を絶ちません。
最近話題になっている、蚊が媒介する「デング熱」を心配されて受診される患者さんもいらっしゃいます。
ニュースで大きく取り上げられているため皆さんとても心配なのではないでしょうか?
実際私はデング熱の患者さんを診察したことはないのですが、教科書的には
「デングウイルスが原因で生じる急性の熱性感染症で発熱、頭痛、関節痛、皮膚の発疹を生じる疾患であり
体内からデングウイルスが消失すると症状も消失する比較的予後良好な疾患である。
デングウイルスに対する治療薬は無く、対症療法を行う」
と記載があります。
つまりは「風邪を引いた時と同じ症状・経過をたどる」
ということです。
インフルエンザと同様の症状をたどるのですがデングウイルスは「蚊」によって感染し、人から人への接触でうつることはありません。
これから10月にかけて蚊は死滅していきますので、あまり過度の心配をする必要はないということです。
もちろん関東方面へ出張のご予定がある患者さんは虫よけスプレーなど、ある程度の対策はされた方が良いかもしれませんね。
さてここ最近福津市の虫被害で多く見られるのが「チャドクガ」による被害です。
よく見られるパターンとして
「庭木の剪定をして翌日の朝みると腕とか首にブツブツがたくさん出て来ました。痒くてしょうがありません」
というもの。
ケムシの被害は非常に特徴的で赤いブツブツが密集して体のあちこちに分布しているため診断が非常に容易です。
実は、「直接チャドクガに触れた!」という患者さんよりも「いつの間にかやられていた・・・」というパターンが多いです。
チャドクガについてはその針(毒毛針)は風に乗って漂ったりするためチャドクガのいる木の下を通りかかっても被害にあうことがあります。
ですので干していた洗濯物に針が付着して被害を生じるというパターンもあります。
またこのチャドクガ、幼虫(ケムシ)の状態だけでなく「成虫」も毒毛針を持っています。
もし木々の剪定中にチャドクガ被害を受けた場合、その時来ていた服は乾燥機にかけると刺さる能力を失ってしまいます。
この針は非常にもろく、掻きつづけると周囲にどんどん広がっていくためなるべく早めに皮膚科を受診してください。