おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
まずは湿疹を抑えましょう!
「乾燥しているから保湿剤を使っていますが痒みが止まらずドンドンひどくなる」
とお困りの方はいらっしゃいませんか?
そういった理由で受診される患者さんのお肌をみるとすでに湿疹が生じていることが圧倒的に多いです。
火事で例えるなら炎が燃えている上に木材で家を建てようとしているようなものです。
湿疹は火事で言う炎です。どんなに小さな炎でも木材を上に乗せればその木材はどんどん燃えて消失してしまいます。
まずはしっかりと炎を消して、その上から木材などで家を建てないといけません。
そのための消火剤がステロイド外用剤、タクロリムス含有軟膏、JAK阻害薬含有軟膏などの抗炎症外用剤となります。
これらのお薬で完全に湿疹を抑えたうえで保湿剤を使用することで健やかでしっかりとしたお肌を維持することを目指してみましょう。
特に湿疹が慢性化している状態だといったんステロイド外用剤などを使用して湿疹が良くなったように見えても皮膚の深いところに湿疹の種火が残っていることが多いです。
「ステロイド外用剤塗ったら一時的に良くなるけど、やめたらすぐぶり返してしまう」という場合においてはこのように種火が残ったまま(しっかりと湿疹が治まっていないまま)外用をやめていることが多いです。
このように繰り返す湿疹に対しては、まずは湿疹が治まるまで毎日ステロイド外用剤を使用します。良くなってきたら週に3回、2回、1回・・・と外用頻度を減らし、ステロイド外用剤を塗らないときは保湿剤を塗布するというように時間をかけて徐々にステロイド外用剤の使用頻度を減らす方法をとることで湿疹のぶり返しを防ぎながら良好な状態を維持するという塗り方をしてみてください。
この塗り方を「プロアクティブ療法」と言い、アトピー性皮膚炎ガイドライン上でも推奨されている塗り方です。
逆に1年中湿疹は起こさないけど季節の変わり目や特定の時期だけ年に数回程度湿疹が生じる、という場合にはその時その時でステロイド外用剤を使用するだけで対応可能なこともあります。
一時的に湿疹が出る時にその時だけ湿疹を抑えるため短期間だけステロイド外用剤を使用する塗り方は「リアクティブ療法」と言います。
ところで一般的は「とにかくプロアクティブ療法が良い!」とされていますが、私はその人の湿疹の出方によって必ずしもプロアクティブ療法を選択する必要はないと思います。
私の中ではプロアクティブ療法は年中湿疹を繰り返すアトピー性皮膚炎の方やガチガチになってしまった慢性湿疹に対する外用方法と捉えています。
1年に2~3回程度、ちょっと湿疹が出るだけの人に毎日・何か月もかけて塗り薬を塗っていくというのは時間と労力とお薬を大量に使うばかりで現実的ではないですもんね。そんな時はリアクティブ療法を選択すればいいだけの話です。
かならずしもあの方法が良いからそれだけする!ということはありません。リアクティブ療法もそれはそれでちゃんとした塗り方のひとつです。
その人、その時々によって、皆さんに合った治療法を適宜一緒に見つけていきましょう!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!