【シェーンライン・ヘノッホ紫斑病】両下肢に赤い点々…【IgA血管炎】 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

【シェーンライン・ヘノッホ紫斑病】両下肢に赤い点々…【IgA血管炎】

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

今は呼び名が変わった病気

のど風邪をひいたあとから両下腿に赤い点々が出てきたらIgA血管炎という病気を我々は考えます。

実は私が学んだ頃はシェーンライン・ヘノッホ紫斑病(Henoch-Schönlein purpura)と言われていたのですが、

最近はその病態からIgA血管炎と言われるようになっています。

免疫グロブリンの一種であるIgAという抗体と抗原と結合した免疫複合体と呼ばれる物質が体内の小さな血管(毛細血管)に沈着し、血管が破壊されることで特に下腿、下肢にかけて内出血が生じることで赤い点々が出てきます。原因は完全には解明されていませんが、風邪などの感染症が引き金となって発症することが多いとされています。

これも言ってみればアレルギー反応の一種なのですが、喘息・じんましんなどはI型のアレルギー、金属かぶれなどはIV型のアレルギーであるのに対してIgA血管炎は典型的なIII型のアレルギー反応と呼ばれています。

下肢に赤い点々が生じているだけなら数週間で徐々に改善していくのですが、激しい運動などで再びもろくなった血管が壊れて内出血を生じることがあるため、数か月は安静にしておくことが必要です。

実はこの免疫複合体が腎臓の血管壁に沈着することがあり、それが原因でまれに腎機能に障害を生じることがあります(IgA腎症)

なので我々皮膚科専門医がIgA血管炎を疑った場合には念のためかかりつけ内科で腎機能のスクリーニングを行ってもらうようにしています。

IgA腎症と診断された場合、多くは自然治癒の方向へ向かっていくのですが、慢性的に腎炎が続いてしまうと将来的に腎機能が低下する恐れがあるので定期的な検査と治療が必要となります。

と、我々の間では比較的よく知られているこのIgA血管炎・IgA腎症なのですが、つい先日日本のある製薬会社開発したシベプレンリマブというIgA腎症治療薬が著名にその症状を改善させるという発表をしたようです。

日本国内の製薬会社がこういった画期的なお薬を開発したというのは非常に嬉しいことです!

 

いま現在様々なお薬が製造中止に追い込まれています。みなさんが普通にこれまで処方されていたお薬はその姿をどんどん消していってます。

これには国の政策により、お薬の販売価格が極端に抑えられたため製薬会社側としてはそのお薬を生産・販売していても全く利益にならないからと考えられます。

利益が出なければ、企業としてはは新しいお薬を開発するための研究費も確保できません。

そして現在どうなっているかというと我が国は海外からわざわざ高いお薬を輸入せざるを得ないという本末転倒な状況に陥っています。

こういった苦しい状況のなか、日本企業が画期的な新薬を開発できたということは、やはり日本人の限られた環境の中におけるものづくりの精神はまだまだ生きているんだなぁとしみじみ感じてしまいます。

我々もかなり厳しい状況の中日々診療を行っていますが、こういった逆境に負けない姿勢をもって皆さんの皮膚の健康を維持していくため明日からも前向きに・気合入れて頑張っていきますのでよろしくお願いします!

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

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