市販の水虫薬は塗らないで! | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

市販の水虫薬は塗らないで!

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

水虫の季節到来

この時期になってくると「足の皮がむけた」「足指が痒い」「足指に水疱ができている」といったご相談が多くなります。

痒い、皮むけ、水疱と聞くと真っ先に思いつくのが水虫でしょう。

すぐに皮膚科にも行けないからとりあえず薬局で水虫の薬を買って塗って、後日皮膚科を受診しようかな・・・と考えている方、

それ絶対やめてください!

水虫は水虫菌(白癬菌、カンジダ菌)などが皮膚の角層に感染、増殖していくことで発症していきます。

そして皮がむけたり、水疱を作ったり、進行するとかゆみなどが出てきます。

しかし実は足の皮がむけたり水疱を作ったり痒みを起こす原因は他にもたくさんあります。

「水虫」はこういった症状を呈する疾患のうちの一つにしかすぎません。

特に春から梅雨にかけて、手のひら・足の皮がむけたり水疱を作ったり痒みを生じる原因として「汗疱・異汗性湿疹」という汗の出口が詰まって湿疹・痒みを生じる、水虫とは全く原因の異なる疾患があり、むしろ水虫よりこちらの方が圧倒的に多かったりします。

そして足に起きている皮疹が水虫かどうかを診断するためには、見た目だけでは絶対に確実な診断は行えません。これは日本でもっとも著名な水虫研究者の先生もおっしゃっていることです。水虫の確実な診断には剥けた皮や水疱の部分の皮を採取して顕微鏡で検査する必要があります。

  1. 水虫菌(カビ)がいた場合→水虫なので外用薬での治療を開始。
  2. 水虫菌(カビ)がいなかった場合→水虫以外の原因による皮膚の症状。

と対処・治療法が全く異なります。

そこで「皮膚を取って検査する前にすでに水虫薬(抗真菌薬)が塗られてしまった場合」を考えてみましょう。

  1. 水虫菌(カビ)がいた場合→水虫なので外用薬での治療を開始。
  2. 水虫菌(カビ)がいなかった場合すでに水虫薬が塗られてしまったので、水虫だったけど塗り薬の影響で水虫菌が一時的に消えてしまったのか、水虫以外の原因による皮膚の症状か、正確な判別が不可能。

といったことになってしまいます。

「えー、それでも水虫が心配だし水虫菌がいなくても水虫薬を処方して欲しい」と思われるかもしれませんが、それは風邪でもないのに風邪薬を処方してくださいと言っているようなものだったり、極端な例で言えば「胃がんが心配だからとりあえず抗がん剤投与してください」と言っているようなものであり、そういった状態でお薬を処方することは保険診療においては決して認められていません。

なのでもしあらかじめ水虫薬を塗ってしまった場合には最低でも3~4週間は全く何も塗らない状態で様子をみていただき、再度受診の上皮膚の一部を顕微鏡で検査するという手間がかかります。

また、「市販の水虫薬塗ったら痒みが良くなったから水虫なんじゃないの?」というパターンもありますが、実は市販の水虫薬の中には一時的に痒みだけを抑える成分が配合されているものもあります。そして痒みを生じる原因としては水虫以外にも前述の汗疱、異汗性湿疹もあるため、痒みが良くなったから水虫が良くなったというわけでもありません。

そして場合によってはその水虫薬自体にかぶれ(接触皮膚炎)を起こしてしまい、それがジュクジュクした皮疹の原因になっているということもたまに見られます。

未だに薬局では水虫薬が市販されていますが、テレビで水虫薬のCMがここ数年全くみられなくなったのは製薬会社側もそういったことを少しでも考え出してくれたのかなぁ、と思ったりします。

最後にもう一度・・・

市販の水虫薬や、ご自宅にある誰かの水虫薬は自己判断で絶対に塗らないようにしてくださいね!

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

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