おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
フケ、痒み、カサカサして困る頭皮の湿疹
慢性的に頭皮の湿疹で困っていらっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。
痒みだけならまだしもフケが多く落ちてくるため色の濃い洋服などを着るとフケが目立って困る・・・という悩みから受診される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
髪の毛を染めた後など、原因がはっきりしていて生じる一時的な湿疹はステロイド外用剤の塗布で速やかに改善しますが、中には全く思い当たる原因がないのに湿疹ができたり治ったりを繰り返している方も多いです。
原因として帽子やヘルメットをかぶることが多い方は頭皮のムレがその原因となっていることがあります。
特にお仕事や移動の手段としてバイクを用いる方に多い印象です。
しかし中には普段からそんなに帽子やヘルメットをかぶることもないのに、しょっちゅう頭皮に湿疹を繰り返しているという方もいらっしゃいます。
そんな時にまず気を付けていただきたいのが頭皮のフケを落とそうとシャンプーの時にゴシゴシ頭皮を洗ったりしていないか?ということです。
湿疹の本体は皮膚に炎症を起こして、異物や異物の侵入を許してしまった皮膚自体を破壊して除去する反応です。この時に異物の侵入を許して破壊された皮膚が剥がれ落ちますが、頭皮においてはこれがフケとして現れます。
なのでフケを落とそうとゴシゴシ洗ってしまうと余計に皮膚が破壊され、炎症反応が継続することになるため余計に痒みの原因となるだけでなく、炎症によって皮膚の破壊が増加してしまいかえってフケの量が増えてしまいます。
童話の「北風と太陽」というお話をご存じでしょうか?
旅人の服を脱がそうとして北風は冷たい風を勢いよく旅人に吹き付けるのですが、寒さのあまりにかえって旅人は服を着こんでしまいますが、太陽は逆に旅人を照らし、熱くさせることで服を脱がせたというお話と同じです。
フケもゴシゴシ洗い落とそうとしたら余計にフケが増えてしまいます。優しく洗うことで皮膚への炎症を抑えることがフケの量を減らすことに繋がると思ってください。その上で湿疹を抑えるお薬を使用するようにしてください。
頭皮湿疹の他の原因としては「脂漏性湿疹」というカビが原因の湿疹もあります。
癜風菌という皆さんの皮膚に常に存在する常在菌が皮脂を分解し、その分解した産物によって炎症を生じると考えられています。
脂漏性湿疹の場合はステロイド外用剤だけでなく抗真菌薬(カビの増殖を抑えるお薬)を使用して湿疹のコントロールを行っていくのですが、こちらについては慢性的に経過することの多い疾患です。
また治りにくい頭皮湿疹の中には「尋常性乾癬」という病気が原因だったということがたまにあります。
尋常性乾癬が原因の頭皮湿疹の場合、頭皮の生え際を超えて皮疹が生じるという特徴があります。
私自身も何年も繰り返す頭皮湿疹の患者さんを診察していて、ある日湿疹が生え際を超えて出てきたところからようやく乾癬の診断に至ったということを何度か経験したことがあります。
尋常性乾癬は一般的には頭皮だけでなく体、うで、あしの特に摩擦が加わる部位に生じやすいのですが、たまに頭皮のみに皮疹が生じるということもあるため慢性的に繰り返す頭皮の湿疹においては常にこの尋常性乾癬を頭の片隅に置きながら診察を行うようにしています。
いずれにしても頭皮の湿疹は長期間の治療が必要なことが多いです。また原因の違いによって治療法も異なることがあるため頭皮湿疹でお悩みの際には一度皮膚科でご相談してみてください!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!