ヤケドの正体 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

ヤケドの正体

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

ヤケドは普通のケガとは全く異なる!

熱いお湯がかかった、熱したフライパンに触れた、ラーメンを作っていてこぼしてしまった、炊飯器の蒸気に触れてしまった・・・

ヤケドになる理由は様々あります。

実は普通の切り傷、擦り傷などのケガとヤケドはその本質が全く異なります。

実はヤケドは強力な接触皮膚炎(かぶれ)が皮膚に生じている状態と考えてください。

強い熱刺激を受けた皮膚は、まず皮膚のタンパク質が変性してしまうため「異物」と認識され免疫システムからの攻撃を受け始めます。それとともに炎症が徐々に進んでいくため赤く腫れあがり痛みを伴っていきます。

そして熱の刺激を受けた皮膚はその余熱によって皮膚周囲や皮膚の深いところまでどんどん破壊されていき、それに伴って異物と認識された皮膚は免疫システムからの攻撃によってどんどん破壊されてしまうため、水疱を形成したり深くまで皮膚が破壊されてしまいます。

そもそも何かが触れてカブレを起こすという反応は、異物が侵入してきた皮膚そのものを破壊して新たに作り直す生体の防御反応です。この時過剰な免疫反応が生じてしまうと正常な組織まで破壊が進行し、広く・深い傷跡になってしまいます。

なので一般的にヤケドの初期には一般的な傷薬ではなくステロイド外用剤を使用し、ヤケドによって生じる過剰な免疫反応を抑制することで正常な組織がなるべく破壊されないようにすることが重要です。

そして1週間ほどするとヤケド初期の炎症反応は徐々に落ち着いていき、ヤケドによってどの深さまで皮膚が破壊されてきたかがようやく判別できるようになります。

そして皮膚がほとんど破壊されず赤みだけの状態が1度熱傷、皮膚表面から真皮と呼ばれる層の中間くらいまでが破壊された状態を2度熱傷、皮膚表面から真皮まで全部破壊された状態を3度熱傷と評価します

つまりヤケドを負ってごく初期の段階ではヤケドの深達度を詳細に評価することはできないのです

ごく浅いヤケドかな?と思っていたら意外と深いヤケドだったり、これはかなり深そうだな・・・と思っていたら意外と浅かったりということが往々にしてあります。

ですので私はヤケドで受診された患者さんには受傷直後であればまずステロイド外用剤を処方したうえで熱傷の深さ(深達度)を評価するため1週間後くらいに受診していただくようお伝えしています。

熱源の温度×接触時間が深達度に影響する

ヤケドの深さは熱源の温度とそれに触れた時間によって決まります。

料理でお肉をローストするときの場合を想像してみてください。

分厚い肉の塊の中までしっかりと火を通すためにはどうすればよいでしょうか?

高温で短時間オーブンの中に入れても表面が焼けるだけで中の方は生焼けの状態になってしまいます。

オーブンの温度を低めにしてゆっくりと数時間加熱すれば中心の方までしっかりと火が通りますよね。

ヤケドの場合も同じで、例えばろうそくの火に極一瞬触れただけでは皮膚には何の反応もありません。

逆に湯たんぽやホッカイロなど、比較的低温の熱源に数時間皮膚が接触していると皮膚の深いところまで加熱、変性されてしまうため多くの場合が3度熱傷となり、傷を残すようなヤケドになってしまいます。

 

冬の時期には湯たんぽによる低温熱傷の患者さんが毎年4~5人は受診されます。

その多くの方が塗り薬の身で治癒するまでに2~3カ月の期間を要し、治った後も傷跡(瘢痕)を残してしまいます。

湯たんぽは就寝前に布団があったまった布団からどかしてから寝るようにしましょう!

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

美容皮膚科はこちら(美容皮膚科)

Cosmetic Dermatology