おはようございます!よしき皮膚科・形成外科院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
今日は「受験生とかゆみ」のお話です。
受験シーズンが近づくとアトピー性皮膚炎のかゆみが悪化するお子さんが増えます。
「たかがかゆみでしょ?」と思われるかもしれませんが、これが意外と侮れません。
アトピー性皮膚炎が悪化する主な原因として・・・
1.ストレスや緊張の蓄積
2.勉強で睡眠時間が削られること
3.忙しくて塗り薬や通院の時間が取れないこと
4.冬場の暖房による乾燥
が挙げられます。
特に注目したいのが「手のかゆみ」です。
かゆくて掻いてしまうと、両手がふさがって「書く」動作ができなくなります。
そうなると試験勉強中もなかなか集中できなかったり、果ては試験本番で掻いている時間の分だけ答案を書く時間が減ってしまうことも…。
顔のかゆみも要注意で、もし顔に掻き傷があると面接のときに気になってしまいますよね。
そしてさらに問題になるのが今ある痒みに慣れてしまってお子さん本人が「かゆい」と自覚しにくくなることです。
「かゆくない」と本人は言うのに治療してかゆみが落ち着いた途端「今までずっとかゆかったんだ」と気づくケースも珍しくありません。
そんなときに頼りになるのが、一緒に暮らすご家族の視点です。
「シーツや枕カバーに血がついている」「夜中に掻く音がする」「布団まわりにフケのようなものが落ちている」こうしたサインに気づいてあげることが、早期発見のカギになります。
「湿疹が良くなっているから多少のかゆみは我慢しようね」「受験が終わるまで我慢しようね」
そんな優しさからの声かけ、実はよくないとされています。
かゆみを放っておくと睡眠の質が下がりイライラしやすくなり、結局は勉強の質にも影響してしまいます。
当院でも塗り薬や保湿剤による治療を基本としながら、それだけでかゆみを含めたアトピー性皮膚炎の症状のコントロールが難しい場合には生物製剤の使用(デュピクセント®、イブグリース®、ミチーガ®)もご提案しています。
受験は本番直前だけでなく2〜3年前からの積み重ねが結果を左右しますので、学校の年間スケジュールに合わせて通院のタイミングもご一緒に考えていきましょう。
明日からできることは、まず「最近よく眠れているか」「今、どこかかゆいところはないか」をお子さんにさりげなく聞いてみることです。そして、我慢させずに早めにご相談くださいね。
それでは、本日も健やかな肌で素敵な一日を過ごしていきましょう!