おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
ムチャクチャすぎる・・・
過去にyoutubeなどで何万人もフォロワーのいる某美容インフルエンサーさんが
「ニキビに対してステロイド外用剤塗って絆創膏で密封する」という方法を紹介していて大問題となったことがありました。
これに対して日本皮膚科学会から「誤った治療法なので決して行わない」よう声明を発表するという事態にまで発展し、その後そのインフルエンサーさんも動画で謝罪しておられました。
実は赤ニキビや、ニキビ跡の赤みに対してステロイド外用剤を塗ると良くなったように見えることは事実です。
これはステロイド外用剤の持つ血管収縮作用によるもので、血管が収縮すれば赤みは一時的に良くなったように見えるからです。
しかし!
赤みが一時的に良くなったからと言ってずっと使い続けていると、今度はステロイド外用剤の持つ他の作用によって皮膚が薄くなりさらに長期的な作用によって血管は拡張していき、結局は顔全体が赤ら顔の状態となってしまいます。
またステロイド外用剤の主な目的は皮膚の炎症反応を抑えるものです。
化膿しているニキビではニキビ菌が増殖し、そのニキビ菌を排除するため免疫細胞が頑張っています。
このニキビ菌と戦っている免疫細胞の活動を抑えてしまうということはニキビ菌を過剰に増殖させることになるだけでなく、「ニキビダニ」まで過剰に増殖させてしまい酒さという皮膚の病気にもつながっていきます。
(ちなみにニキビ菌、ニキビダニは我々の皮膚と共存している常在菌の一種ですので完全に除去することはできません)
いまでも「ニキビに対して市販のステロイド外用剤を塗布している」という方をたまに見かけます。
一時的に良くなったように見えますが、それを続けてしまうことは結局はお肌をどんどん破壊していることにしかなりません。
ニキビ治療で大切なのは「毛穴のつまりを取ってニキビ菌のエサとなる皮脂がなるべくたまらないようにすること」です。
まずは保険適応の外用治療を継続していきましょう。
それでもなかなかコントロールが難しいという場合においては
イソトレチノイン(アクネトレント®)の内服や、場合によってはレーザーフェイシャルといった治療もその有効性が確認されています。
ニキビ治療は非常に長い月日を要する治療であり、あっという間にニキビ・ニキビ跡を治す治療はありません。
まるで薄い紙を毎日1枚ずつ重ねていって分厚い壁を作っていくようなものです。
治療を続けていく中で「このまま同じ治療を続けていっても大丈夫なんだろうか・・・?」といった心配事・お悩みなんかについても遠慮せずご相談くださいね!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!