円形脱毛症 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

円形脱毛症

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

散髪屋さん、美容室で「抜けてますよ?」と言われて・・・

行きつけの散髪屋さん、美容室である日「○○さん、ここ、髪の毛抜けてますよ?」と指摘されて初めて気が付いて受診したということも多い円形脱毛症

特に後頭部あたりに円形脱毛症が生じるとなかなか自分では気づかないことも多いです。

以前はストレスで抜ける、など言われていましたが原因は一概にストレスだけでなくどうしても円形脱毛症を発症しやすい体質、いわゆる遺伝的な要因が強く絡んでいることが分かっています。

過去、毎日過度のストレスがかかる環境において円形脱毛症の発症率が高まるか?という調査がなされたことがあるのですが、ストレス環境下において円形脱毛症の発症が増加するという有意なデータは得られなかったそうです。

ただもちろん中には明らかに過度のストレスがかかった直後に発症したという患者さんもいらっしゃることを鑑みると、遺伝的な体質として円形脱毛症を発症するスイッチを持っている人がいて、そのスイッチがストレスや感染症などさまざまな外的要因によってONになってしまって発症すると最近では考えられるようになってきました。

脱毛を起こしている部位では何が起きているのか?

円形脱毛症は、毛の根元にある毛を作るための工場に対して自分の免疫細胞が攻撃を行ってしまうことから始まります。

攻撃を受けた工場は毛の生産が停止してしまい、毛がスポスポと抜けてしまうためAGAなどいわゆるハゲと異なり円形脱毛症の患部においてはyellow dotと呼ばれる特徴的な所見が見られます。脱毛で困っている患者さんが来院された時我々皮膚科専門医がダーモスコピーで脱毛部を観察するのはその円形脱毛症に特徴的な所見を確認するためです。

通常免疫細胞は外部からや内部に発生した敵(細菌、ウイルス、癌など)を排除するために機能していますがまれに自分の体の組織を攻撃してしまうことがあり、こういった病気を自己免疫疾患と言います。

自己免疫疾患で有名なものは関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などが有名ですが円形脱毛症もこれら自己免疫疾患のひとつと言えます。

円形脱毛症はどうやって治療するの?

治療の基本としては毛の工場に対する攻撃を止めさせることにあります。

そこでまずはステロイド外用剤の塗布による皮膚局所における炎症を抑えることがまず第一とされます。

その他にはナローバンドUVB、エキシマランプを使用した紫外線療法を併用することでさらに脱毛部に生じた過剰な免疫反応を抑制することでさらに発毛を促すことが期待できます。

もし脱毛が現在進行形でどんどん悪化している場合にはステロイドの内服を行って進行の抑制を行うこともあり、そのスピードがあまりにも急激かつ広範囲に生じている場合はステロイドパルス療法という点滴によるステロイドの大量投与を2~3日実施する方法もあります。

数や範囲の狭い円形脱毛症の場合、一般的には3~4ヶ月で徐々に髪の毛も生えそろっていきますが中には治療になかなか反応しない円形脱毛症もあり長期間治療を要する円形脱毛症もあります。

また円形脱毛の数や範囲があまりにも広い症例(毛髪全体の50%以上の脱毛)の場合にはJAK阻害薬という内服薬の投与が適応となる場合があります。(ただしJAK阻害薬の投与前には採血やレントゲン、CTなどによる全身の検査が必要となります)

保険適用外の治療としてはSADBE療法があります。SADBE療法とはその名の通りSADBEという自然界には存在しない強力なかぶれを起こす物質を脱毛部に塗布するという治療です。

まず初回はSADBEに対してかぶれを起こさせるために感作という操作が必要です。この初回の感作にはやや濃い目のSADBEを皮膚に貼って24~48時間ほど置くことで体にSADBEに対してかぶれを起こさせるような状態にします。

そこから1週間くらいして非常い濃度のSADBEを1週間に1回程度、少しずつ「ほんのりかぶれが起きる」程度まで濃度を上げて塗布していき、その状態の濃度のSADBEを定期的に脱毛部に塗布していきます。

かぶれが起きた状態を脱毛部に継続維持するとどうなるのかというと、そこにかぶれ(炎症・免疫反応)を抑制するための調節性T細胞(Treg)という免疫細胞が集まって免疫反応を抑制する機序が分かっています。

このTregによって毛根への自己免疫反応も抑制することを期待した治療がSADBE療法の原理となります。

しかしいずれの治療においてもパッと効果が表れるものではなく、数か月~数年など比較的長期間の治療と定期的な通院を要する疾患には間違いありません。

 

当院ではステロイド塗布、エキシマランプを使用した紫外線療法を中心に行っており、希望される方にはSADBE療法も実施しています。

JAK阻害薬を使用した治療については全身検索の必要性もあることから近隣の総合病院へご紹介させていただいています。

もし円形脱毛症でお困りの際にはお気軽にご相談ください!

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

 

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