虫に刺されたときの痒み対策 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

虫に刺されたときの痒み対策

久々の診療所日記更新です。

ここ数カ月は新しい予約システムの構築などで慌ただしく日記・ブログの更新が滞っていました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、先日朝の情報番組で

「虫に刺されたときの痒み対策」というコーナーに出演いたしました。

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(おでこの文字はアラフォーにしかわからないネタですが・・・。)

虫に刺されて痒くなったらどうしたらいいのか?

実は痒みの信号は「痛み」や「冷たさ」と比較して優先順位が低いため

痒みがある部位にその他の刺激を与えると一時的に痒みが緩和される、という内容をお話いたしました。

市販で売られている虫刺されのお薬の多くはメンソール系の薬剤が入っており

「スースーする冷たい感じ」で痒みをごまかすような作用があります。

また昔から売られているアンモニア臭のする黄色い箱の虫刺されのお薬については

「カプサイシン」という唐辛子の辛み成分が入っており、こちらは「痛み刺激」を与えることで痒み刺激をごまかす効果があります。

ただし1回で完全に痒みを取ることは難しく中には市販の虫刺され薬を塗りすぎて「かぶれ」を起こすこともあるので、塗っていてどんどん患部が悪くなる時は無理に続けないようにしてください。

またお子さんの虫刺されについては免疫の観点から非常に腫れやすいこともわかっています。

じつは生まれて初めて蚊に刺された人は腫れません。

刺されていくうちに免疫反応が強く生じるため腫れも強く現れるようになり

大体20歳を超えたあたりから腫れにくくなります。

掻き壊しているうちに汁が出てきてトビヒにもなりかねないためあまり腫れが強い時や汁(浸出液)が多い時は皮膚科でのお薬を使用して過度な免疫反応を抑えてあげた方が早く治ることも多いです。

虫に刺されたら腫れるのは自分の体が虫に刺された部位を洗い流す反応が生じるので水が集まるため腫れます。

また痒み刺激が生じることで、虫に刺された部位を掻いて除去しようとする原始的な免疫反応が「掻把行動」として現れます。

つまりは正常な反応なのですがあまりにも過剰に免疫反応が生じたりすると皮膚を壊すことにしかならないので

その過剰な反応を抑えてあげましょう、というのが虫刺されの治療ということになります。

まずは市販のお薬を使用して痒み刺激を緩和させることで症状がおさまれば問題ないのですが

あまりにも痒くてたまらない!というときは皮膚科を受診してください。