おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
衛生仮説
タイトルでいきなり何を言い出すの?と思われたかもしれません。
実は「清潔志向」と「アレルギー」とは密接な関係があると言われています。
ひとつはこれまでも診療所日記でもご紹介してきた経皮免疫による喘息、花粉症などの即時型アレルギー症状の発症があります。
経皮免疫とは皮膚のバリア機能が破壊され、そこから様々なアレルゲンが侵入することでそのアレルゲンに対して過剰な免疫反応を生じるというものです。
キレイに体を洗わなくては!と石鹸を使用してさらにナイロンタオルなどで皮膚をゴシゴシ洗ったり、メイク後の洗顔・クレンジングを繰り返すことでも皮膚バリア機能は破壊されてしまいます。そうなると外部から様々な物質が侵入しやすくなるためそれらの物質に対するアレルギー症状を起こしやすくなってしまうためです。
もう一つは幼少期から様々な細菌などに触れる機会が無くなってきたことによる免疫バランスの乱れも関係しているのではないという説です。
赤ちゃんはとりあえずなんでも口に入れる習慣があるなぁ、と感じることはありませんか?
これは赤ちゃんが初めて見るものを口に入れて確認する動物としての習性と、口に入れることで様々な細菌を体内に取り込むことによって体内の免疫バランスを取るための行為なのではとも言われています。
現代ではなんでも殺菌、除菌するということが当たり前になっています。そして幼少期から様々な細菌と接触する機会が減ると体内の免疫バランスが攻撃側に傾きやすくなり、結果として過剰な免疫反応を起こしやすい体質、いわゆるアレルギー体質になるのではという説です。
もちろん細菌のなかには赤ちゃんにとって致命的なものもあるため、除菌・殺菌消毒を絶対にしない方が良いということではないので。
ちなみに私は過去に自費で即時型アレルギー検査のview-39という検査をやってみたことがあるのですが、39種類の抗原全てに全く反応していませんでした。
この結果を衛生仮説の点から考察すると・・・
- 実家及び祖父母の家は兼業農家で常に田んぼや畑で泥遊びしていた(細菌と触れる機会が多かった)
- 泥だらけの手でそのままお菓子なんか食べていた(細菌を口腔より摂取していた)
- しかも祖父母の家は汲み取り式便所であり、さらにそれを畑の肥料にしていた(細菌と触れる機会が多かった)
- 祖父母の家で牛や豚を飼っていた。もちろん牛、豚の糞は畑の肥料にしていた(細菌と触れる機会が多かった)
- 当然その畑でできた野菜を食べていた(細菌を口腔より摂取していた)
- 春になると祖父母宅の裏山に生えていた杉の木をたたいて「きな粉の出る木(実際にはスギ花粉)」と思い込んでバンバン叩いて花粉まみれになって遊んでいた(スギ花粉に対する免疫寛容)。
- 小学生の頃「ねるねるねるね」を買って、すぐに食べたかったので近所のドブ川の水で作って食べた(細菌と・・・もうムチャクチャ)
などなど、幼少期から様々なアレルゲン・細菌と触れる機会が多かったからなのかなぁ、という考察内容であったのでした。
さて、衛生仮説についてはまだまだ議論の余地がある内容なのですが経皮感作については科学的に立証されたものです。
洗顔、クレンジングや体を洗うときは泡で優しく洗い、お肌のバリア機能をご自身で破壊しないよう気をつけてください!
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!