帯状疱疹ワクチンは「認知症」も予防する。 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

帯状疱疹ワクチンは「認知症」も予防する。

おはようございます、よしき皮膚科・形成外科院長の吉木です!

それでは今日の診療所日記をお届けいたします。

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の認知症予防効果

つい先日Nature Communicationsという世界的に認められている科学雑誌に65歳以上の成人を対象に、最新の帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種が本来の目的ではない「認知症の発症リスク」にどのような影響を与えるかを調査した大規模な観察研究についての論文が掲載されました。

その結果・・・

  • 認知症リスクの大幅な低下:

    • シングリックスを2回接種した人は、未接種の人と比較して、認知症の発症リスクが51%低いことが示された。

  • 他のワクチンとの比較:

    • 他のワクチン(破傷風・白喉・百日咳混合ワクチン:Tdap)の接種者と比較した場合でも、RZV接種者は認知症リスクが27%低いことが確認されました。

  • 対象者別の傾向:

    • このリスク低下の効果は、年齢、人種、民族を問わず一貫して見られましたが、特に女性においてより強いリスク低減効果が観察された。

  • アルツハイマー病と血管性認知症:

    • アルツハイマー型認知症および血管性認知症の両方において、同様のリスク低下が認められた。

この研究は合計で30万人以上を対象としてシングリックスを接種した人、しなかった人を比較研究したものでその研究方法も科学的な裏打ちに基づいた者であり、かなり信憑性のあるデータと言えます。

なぜ帯状疱疹ワクチンが認知症を予防できるのか?

帯状疱疹の原因となる水痘ウイルスは神経が大好きなウイルスで、水痘ウイルスに感染したらこのウイルスはその人の脊髄や脳の神経節と呼ばれるところに一生涯潜伏することになります。

そして免疫システムの低下(加齢、疲労など)などのきっかけで水痘ウイルスが再度活性化してしまうと、神経を破壊ながら増殖しウイルスが増殖してる神経がピリピリチクチク傷んだり、その神経の走行の部位に水ぶくれができる不快な症状をきたしていきます。

これがいわゆる帯状疱疹と呼ばれる病気の状態です。

今回の研究を行ったグループは、帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化をワクチンで防ぐことが、脳内の炎症(神経炎症)や脳血管へのダメージを抑えることにつながり、結果として認知症の進行を抑制しているのではないかと推測しています。

ワクチンによる発症予防で快適な生活を!

水痘(みずぼうそう)は90%の人が10歳までに、成人を迎えるまでにほぼ100%の方が水痘ウイルスに罹患すると言われています。

つまり成人の誰もが帯状疱疹の発症の可能性があるということです。

もちろん帯状疱疹についてはほ一生涯発症しない方の方が多いのですが(1000人のうち4~5人)、年齢を重ねるにつれて免疫システムも低下するため、70歳をピークに80歳までに3人に一人は発症するとも言われています。

帯状疱疹を発症して一番困るのは帯状疱疹は神経を破壊する病気ですので、その後の神経痛が人によって数か月~数年残る事がありますが、帯状疱疹ワクチンを接種することでこの神経痛についても発症をかなり予防することができます。

また生活環境の変化からか、疲労・ストレスなども多いここ近年では過去と比較して発症率が増加しているという報告もあります。

また今回の研究結果から、帯状疱疹だけでなく将来の認知症も予防することにつながり、快適な老後人生も送るための一手段となるのではないかと私は考えます。

 

それでは本日も健やかな肌で素敵な一日を過ごしていきましょう!

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