おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
保険医とは?
日本は国民皆保険制度を取っており、国の決めた診察費、治療費、薬剤費のうち7割から場合によってはその全てを国民全員が支払っている健康保険の財源からの補助によって医療を受けられるようになっています。
そんな皆さんから集めた財源を用いて適切な医療が行われるためには、ある患者さんに対してどのような投薬、処置、治療が必要であるかをしっかりと見極め、不必要な投薬・処置などで健康保険の財源を無駄に使用しないようにしなくてはいけません。
このように診療を行った後に健康保険に対して正当な請求ができる資格が「保険医」の資格になります。
つまり我々医師は一般保険診療において貴重な財源を無駄に消費しないように気を付けつつ、患者さんに適切な医療行為を提供する義務を負っています。
そして保険医には国から非常に厳格なルールを課せられたうえで診療を行っています。
1回で処方できるお薬の量。
「塗り薬を出せるだけ出してほしい」「あの量では足りない!」と言われる方もいらっしゃいます。大変申し訳ございませんが、これも保険診療のルールで1ヵ月以内に処方できる外用剤の量は上限が決められているんです。
保険診療で処方できる1ヵ月の上限は○○グラムまでと決められていて、もしそれ以上の量のお薬を希望される場合は全て自費での購入ということになります。
(*じゃあ上限ってどれくらいなの?と思われるかもしれませんが、公表されていません。各自治体ごと、場合によっては福岡県内でもクリニック、病院ごとで1ヵ月に出せる塗り薬の量は平均値からブレがあり基準が定まっておらず我々としても経験上この量が上限、というように判断しております。この辺りは全国的に統一した処方量をしっかり決めて欲しいところですね・・・。)
特定の検査を行う際に、保険を使用してよいかどうか?の判断。
例えば「アレルギー検査」でも、普段くしゃみ、鼻水、喘息、蕁麻疹などのアレルギー症状が全くない方に対して採血によるアレルギー検査を行う場合は保険適用とはならず自費での検査となります。
採血によるアレルギー検査(抗原特異的IgEを調べる検査)とは、あくまで何らかのアレルゲンによるアレルギー症状があることが前提で、そのアレルギー症状の原因を特定し、普段の生活の上で回避し快適な生活を送るようにするために行うものです。
金属パッチテストについても、普段アクセサリーなどの金属製品を付けていてもなんの症状も無いという方に対して金属パッチテストを行う場合は自費での検査となります。
またパッチテスト自体、金属の成分を皮膚に浸透させてその反応をみる検査ですので、全く金属アレルギー症状のない方が「とりあえず知りたい」という希望で金属パッチテストを行った場合、逆にパッチテスト用の試薬によって感作され金属アレルギーを発症するリスクもある、という危険性もあります。
正常な人に対して何か異常がみられないか何らかの検査を行う、というのは結局のところ「人間ドック」と同じです。人間ドックも保険は適用されず、自費で行うことを考えていただくとご理解いただけるのではないでしょうか?
とまぁ、実は皆さんの想像以上にガチガチに法的な縛りを受けて日々診療を行っております。
我々の対応の中で「融通効かないなぁ…」と思われることもあるかもしれませんが、保険診療を継続維持していくために、どうか皆さんもご理解・ご協力くださいませ。
それではそれでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!