おはようございます、よしき皮膚科・形成外科院長の吉木です!
それでは今日の診療所日記をお届けいたします。
専門性がある
皆さんはラーメン屋さんに行ったら当然ラーメンを注文すると思います。
そこで「ご一緒においしいお寿司はいかがですか?」って言われたら「え・・・?」と思いませんか?
もちろん簡単に自宅で食べられるインスタントラーメンもあり、いまでも大衆食堂なんかで気軽に食べられるラーメンもありますが
皆さんに「美味しいラーメンを食べて欲しい!」という思いからその店の店主がこだわり抜き、
ウチはこだわりぬいたラーメンだけを提供します!というお店も全国にありますよね。
そんな「ウチはラーメン一筋です!」を謳っているお店でお寿司を勧められても、
ラーメン一筋でやってきた店主が片手間に出す寿司ってホントにおいしいの?って思いませんか?
もし私のような皮膚科専門医に「胃の調子が悪いようでしたら私が胃の内視鏡検査しますよ?」と言われたら
「オイオイ、本当に大丈夫かよ?」と思われると思いますし、
もし私が患者さんに「内視鏡検査してください」と言われても、とても患者さんの胃の状態なんか
皮膚科医に正確に評価できるわけないので「それでしたら消化器専門医を受診してください」と言います。
しかしなぜか現在の美容皮膚科の領域においては
皮膚科、形成外科の知識を有さない医師が安易に美容の施術を行うということが平然とまかり通っています。
それ本当に「シミ」ですか?
例えばシミひとつとっても実は大きく分けて5種類に分かれ、またそれぞれで治療法が全然異なります。
一見して判別できるものもあれば、我々皮膚科専門医でも判別に困るシミというのは往々にしてあります。
もちろん最も重要なのは「皮膚癌」との鑑別です。
実は私も過去にしっかりと自分の目で見て、ダーモスコピーという診断道具を使って
これはシミだ!と診断して治療を始めたらどうも反応が良くない・・・
実は基底細胞癌という皮膚癌だった、という経験があります。
幸い基底細胞癌は転移することもまれな皮膚癌の中でもおとなしめの癌でしたので
患者さんに重篤な合併症を引き起こす事態にはなりませんでしたが
今でもその時の経験を反省材料として、今まで以上にシミの診断には細心の注意を払うようにしています。
また大学病院勤務時代には足底の悪性黒色腫という非常にタチの悪い皮膚癌に対してとある美容皮膚科でレーザー治療を複数回行われ
結果、全身に転移して悲惨な最後を迎えられたという症例も経験したことがあります。
一口にシミと言ってもまずは正確な診断がとても重要となってきます。
やはり餅は餅屋
皮膚科、形成外科の知識を有しない他科のドクターが安易に美容の施術を行うことについては
営利目的で安易にレーザーやIPLなどの器械を販売する業者の責任もありますが、
なによりも全く知識を有しないまま施術を行う医師側の責任が大きいと思います。
それが原因で様々なトラブルが全国で発生することになり、国もとうとうこの現状にメスを入れてきました。
なにより直美と言われる臨床経験を有しないまま医学部卒業後すぐに美容の世界で働くことや
医師の資格を有しないカウンセラーと呼ばれるスタッフが疾患の説明をして施術の契約を行うことは
今後一切禁止される方向で国は動いていますね。
私でさえ皮膚科専門医になって「まだ」20年ちょっとという自覚です。
さらに勉強や経験を積んでなるべく100%の診断と100%の患者さんからの満足度を得るために修行が必要と感じています。
それくらい皮膚科の世界は奥が深いものです。
ということで今日も皆さんのお肌の健康と美しさを守るため、勉強してまいります!
それでは本日も健やかな肌で素敵な一日を過ごしていきましょう!