こんにちは!よしき皮膚科・形成外科です。
「おでこや鼻の周りがいつもテカテカして赤い」「頭皮にフケや痒みがひどい」—。実はそれ、多くの方が悩んでいる「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」かもしれません。
若年層から高齢の方まで発症する可能性があり、再発を繰り返しやすいのがこの皮膚炎の厄介な点です。今回は、脂漏性皮膚炎の原因から、当院での治療、そして再発を防ぐための大切なセルフケアについて、詳しくご紹介します。
脂漏性皮膚炎ってどんな病気? 原因の「カビ」とは?
1. どんな症状?どこにできるの?
脂漏性皮膚炎は、皮脂(皮膚の脂)の分泌が多い場所(脂漏部位)にできる皮膚の炎症です 。
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できやすい場所:
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頭部: 頭皮、髪の生え際
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顔: 眉間、眉毛、鼻のわき
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その他: 耳の中・後ろ、脇の下などの皮膚が擦れやすい場所
症状としては、これらの部位が赤く炎症を起こしたり、かさかさしたフケや皮むけが生じたりします。
2. なぜ炎症が起きるの?カビ(真菌)がカギ!
脂漏性皮膚炎の原因は完全に解明されていませんが、いくつかの要因が複合的に影響して発症・悪化すると考えられています 。その中でも特に重要なのが、真菌(カビ)の一種である「マラセチア菌」の関与です 。
ちなみにこのマラセチア菌は皆さんの皮膚に普通に存在する「常在菌」の一種ですので「人からうつされたのか?」「人にうつしてしまわないか?」と心配する必要は一切ありませんのでご安心ください。
皮膚は皮脂腺から皮脂を分泌していますが、皮脂の分泌が多くなると以下の流れで炎症が起きます:
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皮脂が貯留する 。
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この皮脂を好むマラセチア菌が増殖し、皮脂を脂肪酸に分解します 。
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この脂肪酸が皮膚を刺激し、炎症を引き起こします 。
専門医による治療:悪化因子を取り除き、再発を防ぐ
乳児の脂漏性皮膚炎は自然に治ることが多いですが、青年期以降に発症すると再発を繰り返すことがあります 。そのため、適切な治療と継続的なケアが重要です。
1. 当院での主な治療法
脂漏性皮膚炎の治療の基本は、炎症を抑えることと、原因となるマラセチア菌の増殖を抑えることです。
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① 炎症を抑える外用薬(塗り薬): 炎症や赤みが強い場合は、主にステロイドの塗り薬を使用して、炎症を速やかに鎮めます。これは症状が強い時期に集中的に使用します。
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② マラセチア菌を抑える外用薬(塗り薬): 症状が落ち着いてきたら、マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌作用のある塗り薬を継続して使用することが大切です 。マラセチア菌の細胞膜合成を阻害することで、増殖を抑えます 。
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③ 内服薬: 症状が広範囲に及ぶ場合や、塗り薬だけでは改善しない場合は、炎症を抑えるためのビタミン剤や、必要に応じて抗真菌薬の内服を併用することもあります 。
2. 皮膚科専門医のいるクリニックで治療するメリット
脂漏性皮膚炎は見た目が似ている他の皮膚疾患(尋常性乾癬など)と見分けることが難しい場合もあり、また再発を繰り返すたびに治療法を見直す必要があります。
当院では皮膚科専門医が診療にあたっています。患者さんの症状や皮脂の状態を正確に診断し、炎症の程度に応じて最適な薬の種類や強さ、使用期間を判断します。自己判断で治療を中断せず、専門医と二人三脚で根気よく治療を続けることが、良い状態を長く保つためのカギです 。
日々のセルフケア:再発を防ぐための生活習慣
治療薬で症状が治まっても、生活習慣の乱れや不適切なケアで再発・悪化することがあります。
1. 正しい洗髪・洗顔と保湿
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洗髪: 低刺激性の石鹸(シャンプー)を使って毎日洗髪し、皮脂を取り除きましょう 。このとき「脂やフケを落とそう!」として強くこすらないように気を付けてください!
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頭皮の病変部を指先で軽く、ていねいに洗うことが大切です 。
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保湿: 入浴後は、病変部に外用剤を塗布し、その他の部位には保湿剤を使用しましょう 。
2. 食生活の見直し
栄養バランスのかたよりは、皮膚症状を悪化させる一因です 。
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積極的に摂りたいもの: ビタミンBが不足すると皮膚症状が現れやすいと言われています 。豚肉、レバー、牛乳、ほうれん草、トマトなど、バランスの良い食事を心がけましょう 。
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控えたいもの: 脂肪分、糖分など皮脂分泌を高める食品は、皮膚に悪影響を与えるため控えめにしましょう 。ナッツ類、コーヒー、アルコール、香辛料なども摂りすぎないよう注意が必要です 。
3. ストレス・睡眠管理
ストレス、過労、睡眠不足などは症状を悪化させます 。
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規則正しい生活を心がけ、十分に睡眠をとるようにしましょう 。
脂漏性皮膚炎は「治りにくい」と感じるかもしれませんが、適切な治療と正しいセルフケアを続ければ、症状は必ず改善します。
症状やケアの方法でご不明な点があれば、いつでもよしき皮膚科・形成外科にご相談ください。