おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。
それでは本日の診療所日記をお届けいたします。
痒いミミズばれが出たり引っ込んだり・・・
「蕁麻疹」で痒くてツライ思いをした人はいませんか?
蚊に刺されたようなミミズばれ(膨疹)が体のあちこちに出たり引っ込んだり、そしてひたすら痒い。
実は私も数年に1回蕁麻疹が出ることがあります。
蕁麻疹は皮膚のいたるところに存在する免疫細胞のひとつである「肥満細胞」がなぜか一人だけ大暴れし、周囲にヒスタミンという物質を放出しまくっているという状態です。
このヒスタミンという物質が皮膚にかゆみを生じさせ、血管から水分を周囲にまき散らせることでミミズばれの様なむくみが生じます。
まず蕁麻疹が出やすいという方においてはこの肥満細胞が働き出すスイッチがやたらとユルイということが挙げられます。
まるでちょっと触っただけで暴発する爆弾のような状態です。
そして疲労、ストレス、熱い刺激や冷たい刺激、食事にふくまれるアレルゲンが肥満細胞を刺激することで蕁麻疹という形で現れます。
そしてほとんど多くの方が「食事が原因でしょうか?」と聞かれますが、実は食事は肥満細胞の爆弾スイッチを押すきっかけとしては皆さんが思っているよりはるかに少なく、そのほとんどが特発性、つまり直接的な原因が無いことの方が多いことが分かってきました。
もちろん中にはある特定の食べ物を食べたら毎回蕁麻疹が出る、という場合にはその原因となっている食事の成分を採血によって調べることで特定することができますが、明らかにコレが疑わしいというものが無い場合にアレルギー検査をむやみにすること自体全くと言って意味がないということが蕁麻疹治療ガイドラインにおいても明記されています。
アレルゲンの特定というのは警察の犯人探しと同じで、まずは犯罪に関与していると考えられる容疑者をたて、そこからアリバイなどを捜査で調査していき、真犯人を特定するというのと同じです。
採血によるアレルギー検査(特異的IgE)だけを単に調べても様々な項目で陽性反応が出る人がいますが、その陽性にでたアレルゲン全てが蕁麻疹の原因とはまったくもって言えない、つまり真犯人以外の容疑者を全員有罪にして処刑するようなものです。
なので蕁麻疹の治療としてはまず大暴れ、大爆発し続けている肥満細胞をなるべく速やかに落ち着かせることが重要です。
まずお薬としては肥満細胞をなだめ抑えるための抗ヒスタミン薬という飲み薬が治療の基本となります。
そしてなるべく皮膚を刺激しないよう熱い温度の風呂は避けてシャワーのみで済ませたり、
肌触りが優しくて、ゆったり目の服を着ることもお勧めです。
そしてほとんど多くの蕁麻疹は1週間以内に徐々に改善するのですが、中には何週間も何か月も出たり引っ込んだりする蕁麻疹があります。
蕁麻疹治療ガイドライン上では「6週間」を超えて出続ける蕁麻疹を「慢性蕁麻疹」と言います。
慢性蕁麻疹の場合でも基本はまず蕁麻疹が出なくなるまで毎日継続して抗ヒスタミン薬を内服することであり、
症状が出なくなったら徐々にゆっくりと飲み薬の内服間隔をあけながらお薬をやめていくという方法を取ります。
つまり蕁麻疹をなるべく早く治す方法は「処方された飲み薬を用法容量通りしっかり内服すること」に尽きます。
もしそれでもなかなか治らない難治性の慢性蕁麻疹の場合においては最近はデュピルマブ(デュピクセント®)という生物製剤による治療法が保険適応の治療として行うことができるようになっています。
なかなか内服による治療だけでは辛い蕁麻疹の症状から抜け出せなくて困っている・・・という方はどうぞお気軽に受診してくださいませ。
それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!