「花粉症」と「花粉皮膚炎」 | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

「花粉症」と「花粉皮膚炎」

おはようございます!よしき皮膚科・形成外科、院長の吉木です。

それでは本日の診療所日記をお届けいたします。

この時期の悩みのタネ

1月ころからすでに舞い散る花粉。特にわが国にはスギによる花粉がトラブルの原因となります。

一般的に何らかの異物が目や鼻の粘膜に付着すると、異物を排除するため目や鼻の粘膜は免疫反応を起こしてその異物を洗い流そうとします。

それの洗い流すための成分が涙や鼻水として現れます。

しかしこれら花粉に対して強力な免疫反応が生じると目は真っ赤に腫れあがり過剰な涙、鼻水がドンドンとあふれ出すという不快な症状を呈していきます。これがいわゆる花粉症の症状です

アレルギー症状とは過剰な免疫反応によって人体にとって不快かつ有害とまでなってしまう免疫反応のことを言います。

花粉症の免疫反応はⅠ型免疫反応(即時型免疫反応)であり、花粉などの異物が付着すると数十分以内に生じる免疫反応です。

また花粉が免疫細胞の鍵穴にハマって生じるものなので、お薬としては花粉がハマる鍵穴を予めブロックして免疫細胞の反応を抑えるお薬を使用します。この時に使用するお薬として抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)と呼ばれる飲み薬や目薬、点鼻薬といったものがあります

そして花粉は皮膚に対しても痒みやヒリヒリした不快な症状を引き起こすことがあります。

特に瞼を含めた目の周りは皮膚において最もその厚さが薄い部位です。

そして普段の洗顔などで摩擦を生じていると皮膚の角質が傷んでしまいます。角質の傷んだ皮膚においては実は痒みを感じる神経が角質の外側までびよーんと伸びていってしまうことが分かっています。

そんな傷んだ皮膚に異物である花粉が付着することで痒み神経を刺激して皮膚が痒くなり、掻きすぎてさらに角質が傷み、またその傷んだ皮膚に花粉が付着して痒くなってどんどんと皮膚が赤く傷んで・・・の悪循環を生じます。これが花粉皮膚炎の症状です

花粉皮膚炎の多くはアレルギー反応というより花粉が皮膚に付着する刺激そのものによって生じるものがほとんどです

花粉皮膚炎においては抗ヒスタミン薬などの飲み薬はその免疫学的機序からは効果が期待できないため、通常のかぶれと同じようにステロイド外用剤、タクロリムス含有軟膏など塗り薬を使用した治療を行うことになります

また中には花粉が皮膚に付着して蕁麻疹の症状を生じているパターンもあります(花粉による接触蕁麻疹)

こういった場合には抗ヒスタミン薬の内服や、最近は抗ヒスタミン薬含有の塗り薬を使用することで治療を行います。

いずれにしても皮膚に生じた症状が湿疹反応なのか?じんましん型の反応なのか?によって治療のやり方が異なっていきますが、9割以上の患者さんは花粉による湿疹型の反応を生じていることが圧倒的に多いです。

花粉皮膚炎の予防と治療

原因は花粉が傷んだ皮膚に付着して生じる事であるため、徹底して花粉との接触を断つことが大切です。

とはいっても我が国ではどこに行っても特にこれから5月くらいまでは花粉が飛散していない地域はありません・・・。

それでもまず重要なのは洗顔時などに皮膚を強くこすってお肌を傷めないようにすることです。また花粉症による目の痒みがあると目をついつい擦ってしまったり、鼻水をしょっちゅうかむことで鼻の皮膚が傷んでしまうので、花粉による即時型アレルギーがある方はそちらの治療も並行して行うことでお顔の皮膚を傷めないようにしましょう。

特に花粉が多い日は帽子やマスク、気にならない人は目の周りを覆ってしまう様なゴーグルをすることも役立ちます。

そして帰宅したらすぐに入浴や洗顔を行うことで物理的に花粉を皮膚から除去してしまいましょう。

塗り薬としてはあまりに湿疹が強い場合はステロイド外用剤も選択肢に上がるのですが、皮膚の薄い目の周りにステロイド外用剤を塗布すると副作用として眼圧の上昇が生じることがあるため、特に緑内障をお持ちの方は使用がためらわれることがあります。

ですので最近は目の周りの湿疹に対してはタクロリムス含有軟膏(プロトピック軟膏®)や、ヤヌスキナーゼ阻害薬含有軟膏(コレクチム軟膏®)を我々皮膚科専門医は処方することを第一選択にすることが多い印象です。

 

なにより!過去にもこちらの診療所日記でお伝えいたしましたが花粉症などの即時型アレルギーは皮膚において花粉など特定の物質に対する「感作」という現象が生じて発症します。花粉症も花粉皮膚炎も予防としては適切なケアによって予防していくことが期待できます。

もしそれでも顔が痒くて困っている方はいつでもお気軽にご相談ください。

 

それでは今日も健やかな肌で素敵な1日を過ごしていきましょう!

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