朝の情報番組で「皮膚科領域における耐性菌」について少しお話をさせていただきました。
昨今様々な医療現場で、抗生剤の効かない「耐性菌」が問題となっています。
皮膚科の現場ではニキビ菌に対する耐性菌が世界的に増えている状態です。
耐性菌が問題となった背景には「抗生剤の濫用」や「抗生剤の不適切な使用」といったものがありました。
もちろん細菌が原因の感染症であまりにひどい場合は必ず抗生剤を使用して炎症を抑えることが必要です。
しかしニキビに関しては10年ほど前から「化膿したニキビを治す」のではなく
「なるべく化膿させない状態を維持する」という治療法に切り替わってきました。
ニキビの原因は毛穴のつまりから始まる毛穴への皮脂の蓄積です。
そこへ皮脂が大好きな細菌が増えて化膿という状態になります。
それならば「なるべく毛穴のつまりをお薬で除去して化膿させないようにしよう!」
というのが現在のニキビ治療で最も重要な治療法となってきました。
その毛穴のつまりを取る「アダパレンゲル」や「BPO製剤」といったお薬は保険適応となっています。
現在のニキビ治療ガイドラインにおいてはこの二つのお薬はあらゆる状態のニキビにおいて
「使用が強く推奨される」と位置付けられているお薬であり、どこの皮膚科でも一般的に処方されるものですので
ニキビでお困りの患者さんはまずは皮膚科での治療を受けることをお勧めいたします。