5年前に取得したがん治療認定医機構が認定する「がん治療認定医」の更新を受けました。
この資格はがん治療に携わった治療経験だけでなく試験を受けて認定されるものです。
更新を受けるにあたりがん治療に携わった症例だけでなく、こそこそと試験勉強も行いつつ試験もクリアー。
開業してからは皮膚がんの患者さんを診察する機会は非常に少なくなったのですが(それはそれでとてもいいことなのです!)
まれに遭遇する皮膚がん患者さんのためにもがん治療に関する最新の知識をアップデートする意味も含めて更新を受けました。
皮膚科領域でもっとも多いとされる皮膚がんに「基底細胞癌」という癌があります。
この癌は皮膚だけにとどまる傾向が強く、転移する事はまず無いといわれています。
しかし放っておくとどんどん正常の皮膚を破壊して拡大します。
早期に切除しておけばまず問題のない癌です。
次に「有棘細胞癌」という癌です。
こちらは扁平上皮癌というカテゴリーに分類されるのですが、内臓の癌で有名な「食道がん」と似たような動向をします。
つまり放っておくとリンパ節や最悪他の臓器にまで転移する可能性のある癌です。
よくあるエピソードとして「なかなか傷が治らないと思っていたらどんどんと広がって盛り上がってきた」
ということで見つかる事があります。
最後によくテレビなどで紹介される「悪性黒色腫」という癌です。
一般的にほくろの癌といわれますが、メラノサイトというメラニン色素を作り出す細胞が悪性化したものです。
よく「足の裏のほくろは危険!」と言われますが、我々アジア人は足底などの四肢末端に悪性黒色腫が生じやすいという統計結果があります。
普通のほくろと異なり周囲にモヤ~っと染み出した色が出たり、色合いが不均一だったり潰瘍(きず)ができたり、何より急激に大きくなる場合には悪性黒色腫の可能性があるかもしれません。
その場合でも「ダーモスコピー」という特殊な虫めがねで観察すると悪性黒色腫なのか普通のほくろなのかはかなりの確立で判定する事が可能です。
ちょっと心配だな・・・と思われたときは皮膚科でご相談ください。
ダーモスコピーは「観る」だけの痛みも伴わない簡単な検査ですのでご安心を。