え? 「あせも」 じゃないの? | 福岡県福津市の『よしき皮膚科・形成外科』(アトピー性皮膚炎・巻き爪の治療、美容脱毛など)

診療所日記

え? 「あせも」 じゃないの?

夏も本格化してきました。

夏の皮膚トラブルといえば「あせも」「虫刺され」を真っ先に思われるのではないでしょうか?

今回はそのなかで「あせも」のお話です。

 

実は「あせもができてこまっています・・・」とおっしゃる患者さんの8割くらいはすでに「あせも」ではなく「汗によってかぶれている」状態だったりします。

「あせも」と「汗によるかぶれ」ってどう違うの?ということですが

「あせも」とは「汗の出口がつまって、外に出られない汗が皮膚にたまって炎症を起こしている状態」を言います。

皮膚に汗がたまってくると、たまった汗を排除するため皮膚は炎症を起こし、皆さんを悩ませる「かゆみ」が生じます。

あせもに関しても炎症が強い場合はステロイド外用剤を適宜使用することで速やかに炎症を沈静化することで不快な症状が治まります。

 

しかしかゆみが長く続き「掻く」ことで皮膚が傷ついたり、乾燥肌などもとから皮膚のバリア機能が低下している状態ですといったん外に出た汗が再度皮膚に進入してきます。

皮膚は外部からの異物の進入を決して許さない臓器です。自分の体から出た汗でさえも外部から進入してこようとすると炎症を起こし排除しようとします。

これが「汗によるかぶれ」です。

ですのでただの「あせも」で炎症が強い場合には湿疹の強さに応じたステロイド外用剤や、炎症が極々軽度な場合は抗ヒスタミン剤含有の軟膏で様子を見るのですが

皮膚のバリア機能低下がもともとの原因である場合はさらに「保湿剤」を併用して皮膚のバリアを高めてあげることで繰り返す汗かぶれを予防することができるのです。

 

このように適宜外用剤が必要な場合が多いのですが、重要なのが日常生活におけるその他のスキンケアです。

汗によるかぶれの場合、汗をかいた場合はなるべくシャワーを浴びたり水で洗い流してあげましょう。

この場合でももともと乾燥肌・アトピー性皮膚炎の患者さんの場合はすぐに保湿剤を外用することで水分の蒸発を防ぐようにしてください。

タオルでゴシゴシと汗をふき取ると皮膚に傷がついてしまい、余計に湿疹が悪化してしまいます。

濡れたタオルなどでなるべくやさしく抑える汗を吸収するようにしてください。

また適宜エアコンで温度調節をして快適な環境を作るということも重要です。

エアコンが体に悪いということもありません。もちろん過度にクーラーを効かせすぎると空気が乾燥し冬場と同じような皮膚トラブルを引き起こすので注意してください!